何かを増やすより、何かを減らす運用にしよう

やあやあ。夏休みはありましたか?

私も二年越しで色々な圧力に勝って夏休みを取得出来ました。

みんな自分は休むのに、私は休ませてくれないんだから、ひどい話です。

 


 

話が逸れました。

 

皆さんは、日々の業務をどうやってこなしていますか。

 

とにかく邁進? それもひとつです。

体力が有る人は「一生懸命がんばります!」と仰ってくれます。

元気があって何よりです。

 

細かく事前に予定を立てて、その通りに進行? それもひとつです。

綿密な予定を立ててて、その通りにメンバを動かすことがマネジメントだと仰る方もいます。

 

前者の場合、真面目な性格で、なんでも一所懸命に頑張ってくれる人が多いように感じます。

それだけに沢山頑張ってくれるのですが、同じ所をぐるぐる回っている人も時々見受けられます。時間だけが過ぎ去っていき、満足なものが出てこないこともしばしば。家にさっさと帰らないので私生活が侵され、睡眠時間が削れることでどんどん泥沼に嵌っていく事も少なくありません。

この手の人は、「全部大切なんだ病」に掛かっている場合が多いです。

その真面目な性格故に全てのタスクが「全て大切な事」に格上げされてしまい、全てを一度に行おうとしてパンクし、無駄な作業が増えて溺れているようです。

 

一方、後者の人は几帳面な性格で、決まった事は必ず守るようにまっすぐ進んでいく人が多いように思います。

ただし、全てが細かく決まって見通しがよくないとすぐに立ち止まり、ずーっと考えている人も時々見受けられます。スケジュールの線を引き直しては考えを繰り返して、気が付いたら計画倒れで全部グダグダで、「と、とにかく全部やるんだ!」とメンバにふっかけていくことも少なくないように思います。

この手の人は、「計画病」に掛かっている場合が多いです。

あらゆる事が事前に分かっていなければいけないと信じ込み、その信念を貫こうとします。過去の汎用機の基幹系システムで成功を収めた人に多いようです。

 

どちらにも言えることは、「自分の仕事を自分で増やしている」点かと思います。

 

仕事を減らそう

まず、その仕事をやめましょう。いや、退職をするわけじゃないですよ。当然、サボるわけでもないです。

一所懸命なのは良いことなのですが、一歩業務から離れ、遠くから自分のしていることを眺めてください。

「それは、何かの価値を生み出す作業ですか?」

この問いに「No.」となる作業であれば、改善の余地があります。

 

仕事を減らそうとすると、「俺は昔は頑張ってた。お前らは今や楽な仕事の仕方をしている。それでいて仕事を減らそうなんて、言語道断だ」という根性論派が現れますが、取り敢えずそれには耐えましょう。

あまりにも五月蠅ければ、「私の残業時間が減れば、残業代が減って、結果的に利益が出ますよ」や、「みんなで早く仕事を終えて、○○さん(五月蠅い人)と飲みに行きたいんですよ」と言うと良いでしょう。根性論派の方は、飲み会に弱い傾向があります。

 

周りを懐柔できたら、次はあなたの番です。

 

最初に、自身の性格を客観的に捉え、泥沼にはまっている部分を改善します。

 

書類で苦しんでる場合

書類を書くのが苦手な人は、テンプレートと手順のメモを起こすといいでしょう。その通りに書けば一瞬で終わるように、コツを捉えておきます。その書類をマクロで半自動生成出来そうなのであれば、VBAなりなんなりを使って、自動化します。

反自動化派が必ず出てきますが、彼らは過去に中途半端なマクロで誰かに痛い目に遭わされた被害者の場合もあるので、その辺りの心情を上手く汲み取り、その上であなたはミスを出さないようにするといいでしょう。

 

やることが多すぎて苦しんでる場合

自分の仕事の優先順位が付けられずに困っている人は、優先順位表を付けるとよいです。

紙に「今すぐしないといけないこと」「今週中にしないといけないこと」「そのうちしないといけないこと」の3欄を用意し、そこに「何を」「誰と」「いつまでに」しないといけないのかを一枚に書いた付箋を貼りつけるようにします。

その付箋が「今すぐしないといけないこと」欄に集中するようでしたら、あなたの作業を把握してくれている別の人に見てもらい、その表を見てどう思うか聞くとよいです。大抵は、「今週中にしないといけないこと」か「そのうちにしないといけないこと」欄に移動しても差し支えがないことを告げられるでしょう。

聞いても、「全部今すぐしないといけない!」とかいう人はマネジメントが下手なので、さっさと手を引いた方がいいです。

 

この習慣を続けると、欄に入れる必要がない作業に気が付くことでしょう。

それは要らない作業なので、捨ててよいです。

欄に入っていても、「誰と」や「いつまでに」がはっきりしない作業も出てくるでしょう。「誰と」がはっきりしない作業は誰も求めていません。誰に聞いても「いつまでに」がはっきりしない作業も、やはり要らない作業です。それらも一旦やらなくていいので、ごみ箱に捨ててしまっていいです。

「いつまでに」を決められない、または「誰が」をはっきりしてくれない作業は、必要に駆られれば、必要な人が顔を青か赤に染めて走ってくるので、その時に対処してあげればいいです。

 

スケジュール倒れで苦しんでいる場合

スケジュールばかり引いて不安に陥っている人は、そのスケジュール表を破り捨てましょう。あなたは、スケジュールに線を引かされているだけです。目的と手段が逆転しているので、その習慣にもう価値はありません。

破り捨てた後、あなたが起こすべきなのは「デッドライン表」です。

仕事の事は一旦忘れ、料理の事を考えましょう。

あなたが今から料理をする場合、何が必要ですか?  最初に作るものを決めることですね。次は、それに必要なものをある程度ざっくりとまとめること。そして、足りないものは買いに行きますね? 次は? 調理場を片付け、仕込みをし、実際に調理に取り掛かりますか。その前に、その料理を誰がいつ食べるのかが重要ですよね。

そう、「誰が」「いつまでに」「どこまでできているか」が管理できれば、後はその場その場で考えて対処をすればいいわけです。

仕事も同じです。「いつまでに」のお尻だけに注目して、「誰が」と「どこまでできているか」の管理を行う方法に変えると、あなたのスケジュールを引く作業は減っていくはずです。

 

ここまで聞いてマイルストーン表と同じではないかと考える人もいますが、デッドライン表はマイルストーンをターム毎に敢えて置きません。これは、進捗の管理の為の管理が発生することを避けるための措置です。

 

毎週進捗管理の日がやってきては、その進捗が進んでいるか遅れているかに一喜一憂し、その微々たる遅れの為にメンバに残業を命じるマネジメントをしているのであれば、あなたはナンセンスです。

仕事は直線的な成果が出るものではありません。最初は立ち上がりが悪く、一定ラインを超えると一気に加速し、その後再び緩やかに減退していく事は、今まで痛いほど経験してきたのではないでしょうか。であれば、その経験を生かすのは、今です。

 

挫折もなく、今まで言われたとおりにやってきたら上手くいったというのであれば、あなたの成功体験はチームにとっての害悪なので、それを捨てるかあなたが去るかを考えた方がよいです。

 

あらゆるものの出来に不満を感じる場合

私もその手の人種です。ある程度完璧でないと気が休まらない場合はすごく簡単です。

「まあ、所詮こんなものか」と緩やかに捉え、「品質」または「価値」で絶対に譲れない部分以外はそのままにしておくのです。

 

その拘りは、第三者には伝わらないものです。アウトプットが一定ラインを超えていたら、その改善に対する優先度は一旦下げます。後から挽回出来る程度の事であれば、今は先を急ぎましょう。

 


 

数えられる程度の簡単なパタンにだけ、私の考えを述べてみました。

さて、みなさんも仕事を減らして、その余力で質を高めすような仕事の仕方に変えていきませんか?

 

ではでは。